風に溶けて消える

そんな穏やかな気持ちで生きたいほんとは。限界OLバンドマン

「天気の子」が上京2年目の24歳の私に響いた理由

 

映画は、人が動くものしか基本的に観ない。だから今回、「天気の子」を観に行ったのは例外だ。私はミーハーなので、話題になっていると気になって行きたくなってしまう。

結論から言うととてもよかった。めちゃくちゃ泣いた。のでなんでそんなに泣いたのかを考えてみた。

 

東京という街が舞台

主人公、帆高は高校一年生の男の子。彼が家出をして、東京に上京してきたところから映画は始まる。

 

描かれるのは新宿歌舞伎町、ルミネエストのビル、それから田端駅、他諸々。

私は2年前に上京し、この映画の舞台で、描かれているこの映画の背景の中で生きている。

 

2年前の就活の時期には毎週のように新宿駅に降り立ち、バスタを見上げ、歌舞伎町の看板を横目に通ったカプセルホテル。

未知の街、東京。夢が叶う場所だと信じて疑わなかった21歳のあの頃。すごく思い出して、彼のように私も戦ってたんだなあとノスタルジックな気持ちになった。と同時に、今も戦ってるんだと気づいた。東京は、私の街ではないから。ここにいる限り、ずっと気が抜けないのかもしれない。

 

「天気の子」は、帆高だけでなく、東京でがむしゃらに生きようとする人たちが描かれていて、無性にうるっときた。

 

高校一年生、16歳という年齢

無知による怖いもの知らず。そして大切なものをわかっている。そのためには保身をしたりしない。それができるのは若いからなんだなあって。

劇中、「もう大切なものの順番を変えられない」、そんなことを言う大人が出てくる。ああ、なるほど、大切なものを見紛わない大人になりたいと私は思って生きてきたけど、大人になったからこそそれを見誤ってしまうんだな、と思った。若いってすごい。社会に出てある程度世の渡り方を知ってしまった私には眩しくて、羨ましくなった。

 

ラストシーンは

「この映画について『許せない』と感じる人もいるだろうと思いました。現実の世界に適用すると、主人公の帆高は社会の規範から外れてしまうわけです。弁護士の先生にもお話を聞いたんですが、法律で考えても、結構な重罪で…。帆高が空の上で叫ぶセリフも許せないし、感情移入できないという人もたくさんいると思います」

https://movie.walkerplus.com/news/article/200868/ より

 

空の上で叫ぶセリフ、私にはとてもグッときた。賛否両論というのは、あまりにも社会的ではない、無責任だ、ということだろう。だけれど、配慮が足りないのが、社会性が低いのが若さの美しさだ。そんな風に思った。だから私的には賛否両論の賛成側なんだけど、それはきっとないものねだりなんだろう。決して自由の身ではないけれど、自由に心のままに生きている帆高のようになりたいと思ってしまった。

 

RADWIMPSの音楽

そして「君の名は。」の時も思ったが、今回も劇中のいいところで挿入されるRADWIMPSの曲が素敵。

君を大丈夫にしたいんじゃない 君にとっての「大丈夫」になりたい

 

RADWIMPS / 大丈夫

曲が綺麗なのもあるんだけれど、それだけじゃない。歌詞を聴かせるために作られているかのような曲。自然と耳に入ってくる、映画の物語をさらに深めてくれる歌詞に涙腺が刺激される。

 

愛にできることはまだあるかい 僕にできることは まだあるかい

 

RADWIMPS / 愛にできることはまだあるかい 

 

終わり

映像もとても綺麗だし、スクリーンで観たい映画だと思います。「君の名は。」より良かったという声をよく聞きますが私もそうだった。綺麗なだけじゃなくって、心が苦しくもなるいい映画でした。

では