風に溶けて消える

そんな穏やかな気持ちで生きたいほんとは。限界OLバンドマン

昇華としての曲作り

 

騙し騙し、自分を励ましながら、自分で自分を奮い立たせながら毎日を生きる。

なんとか立て直せる日があれば、直せない日もあって。

思えば今までそんな日々ばかりだった。

 

昔から、「昇華」という言葉が好きだ。

精神分析学用語。性的衝動ないしそのエネルギーを,性的でない,社会的に受入れられるような,なんらかの他の活動の形で表現するようにさせる無意識的過程。芸術,宗教などの文化現象もこの働きによるとする。さらに一般的には,低次の要求の満足を,より高次な要求の満足により置き換えることをさす。

コトバンクより

 

いつだったか何の授業だったか、この概念を学校で習った。欲求不満の解消法の話だったと思う。

欲求不満の時は、物や人に当たる、赤ちゃん返りをする、などの列挙の中にこの言葉があって。

「あ、イライラしてギターを弾くのは昇華なのか」とその時に知った。

それが自然とできている、その手段を持っている自分が誇らしくなったのを、うっすらと覚えている。

 

今じゃ不安などの負の感情を、曲を作るという行為で昇華するのが私の定番で、というか私の規定とまで言えるかもしれない。

負の感情を感じた時には条件反射で、曲にしたい、しなきゃ、と変な使命感を感じる。

 

だけれど、曲としてなかなか浮かばない場合もある。そんなときは、頭の中で言語化され得ない負の感情があっちこっち浮遊して、いつもは何も思わないことでもネガティブに感じてしまう。そうして行き場のなくなった不安や悲しみを癒そうと音楽を聴くと、涙しか出ていかない。わだかまりは心のうちに残ったまんま。

音楽を聴いたって、結局ネガティブな感情は整理されない。応急処置のようなものだ。

 

だから文字にしてしまう。負の感情はぼんやり抱えるより、何かしら形にしてあげる方が楽だから。

文章を綴ると、やっと涙が止まる。

その後は目が乾いて泣いたことに後悔して、なんだかんだで日々過ごすうちにそんな負の感情も忘れていく。

 

書いておくと思い出せるから綴るだけ。未来の私を支えてくれるから綴るだけ。

結局は別に伝えたいことなんてないんだろう