風に溶けて消える

そんな穏やかな気持ちで生きたいほんとは。限界OLバンドマン

エッセイ

昇華としての曲作り

騙し騙し、自分を励ましながら、自分で自分を奮い立たせながら毎日を生きる。 なんとか立て直せる日があれば、直せない日もあって。 思えば今までそんな日々ばかりだった。 昔から、「昇華」という言葉が好きだ。 精神分析学用語。性的衝動ないしそのエネル…

発する前に想像するその言葉の重さと響きで

声が空気を震わせた時の、その重さや響きを想像してからじゃないと、怖くて言葉を発せない。 大事な場面ほどそうなってしまって、びっくりするくらい言葉が出てこなかったりする。後になって、 『あぁ、ああ言えばよかったなあ』 なんてのもよくある。 だけ…

生きている実感、というものはあなたのなかに存在するのか否か

自己肯定感がなんとか、という話をしていると、君よく使うよねそれ、そんなに意識したことないなあ、って言われたことがある。 その時、少し不意をつかれた記憶がある。 ああそうか、そんなの意識せずに生きている人もいるのか。もしかしたら結構いるのかも…

どうして人は「生活」を美しく切り取って芸術にしてしまうのか

その白い肌に月が映り込んで 化粧をする君に並んだ 生活 / odol 生活。特別な日を歌っているわけじゃないこの曲は、美しくてどこか儚い。 曲になれば、絵になれば、小説になれば、生活というものは美しくてエモい。 フェルメールの、日常を切り取って描く絵…

飛行機と死の恐怖

大げさ、だとはわかってるんだけど 私は飛行機に乗る時はいつも少しだけ、死を覚悟する。 アナウンスに従って、救命胴衣や酸素マスクの説明が書かれた紙に一通り目をやり、頭に入れる。 死がよぎるのは飛行機だけじゃなく、高速バスであってもそう。 飛行機…

新入社員だったあの日の前日

3月最後の金曜日。 期末だった。 月曜からは4月だ。 だけど進学して環境が変わるわけではないし、学年も上がらない。 会社では、新卒社員を受け入れる準備で慌ただしそうだった。 去年の今頃は、私もこうやって迎え入れられてたんだな。 1年も前のことなのに…

映画よりも映画なことがあるからおもしろい

人生は本当に、映画のようにはいかないなあと思う。そんな場面ばかりだ。 むしろそれこそが映画のようだなあとか思う出来事が稀にある。 もし映画化したって、誰もハッピーになれないような、切なさのしこりを残してしまうような。 だけど、決められたラスト…

別れ話の尺

別れ話、って、一体何を話すんだろう。 過ごした時間分思ったこと、もらったもの、あるはずなのに、なぜ一緒にいられないかまで話さなきゃならない。 どの記憶をどの尺で話せば収拾がつくんだろう。そもそもそんなものは必要ないのだろうか。 正解がわからな…

痛々しくて、醜くて、美しい恋だった

『羽の濡れた鳥のようだな』 それはなんとも安直な表現で、だけどそれ以外に的確な言葉が見つからなくて 自分に対して思うセリフでもないように思うけど、自分の半歩後ろからそう思った。 痛々しくて、醜くて、美しかった。 簡潔に表すと、そこに集約されて…

好きを仕事にすることの代償

"好きを仕事にしよう" "これからは個の時代だ" そんな謳い文句で溢れるビジネス書の棚。 そりゃ好きを仕事にしたい。あたりまえだ。そう思ってそんなビジネス書を、興味のない営業をやってた半年間読み漁ってた。 そこから部署移動して、文章という、自分に…

残るものが残酷なのか残らないものが残酷なのか

『残るものは残酷だ』 取り憑かれたように日々、残るものを…と、曲や文章を書いている私は、その考えを記事で見た時驚いた。 そんな考え方があるんや、と思って。 残らないものは残酷だと、私はその価値観しかなかったから。 今でもやはりそう思ってる。 残…

君のにおいの香水が欲しい

上手に香水をつけてる男の人が好きだ。 においすぎず、すれ違ってふわっと風が起こると香るような。そんなふうに器用に香水をつけている人は素敵だ。 香水って、香水そのものじゃなくて、つける人の体臭と混じり合って香りが生まれる。 だから、同じ香水をつ…

承認欲求の相互作用

心から本質的に嬉しいと思うこと。 時間の経過によって劣化することのない喜びって、自分に対する需要の中でしか見つけられない。 本当に承認欲求の塊だなと思う。 最近気づいたこと。 去年だったか、神戸で弾き語りをやってた時。 自分で言うのは気がひける…

紙一重な幸せと憂鬱

憂鬱で体が沈みそうになることがある。 程度の差こそあれ、いつだってほんのり憂鬱に浸かってて。 これがデフォルトなのかと最近は思い始めた。 なぜ、幸せなはずなのにこんなに憂鬱に苛まれるのか。巡り巡って考えていると行き着いた。 "憂鬱の正体は幸せだ…

社会に出るのは絶望じゃなかったしなんなら純粋に生きられる

「まだ若いんだから」 社会人になって10ヶ月。あらゆる方面からよく言われる言葉。そんなことない、なんて言ってたけど、最近は肯定できるようになった。 社会人になる前、大学4年の今の時期なんて絶望だった。いや、3年の時の方が絶望だったかもしれない。 …

明日が来る確率のはなし。

『私に明日が来る確率は何パーセントあるんだろう。』 お昼休憩中、そんなことをふと思った。 べつに私は宣告された余命を過ぎたガン患者でもなければ、明日戦地に赴くジャーナリストでもない。ヤバい人たちに追われている身でもない。 至って普通の会社員。…